液晶モニター(VE500)のインバーターを交換してみた。Ver0.50

ViewSonic製VE500のインバーターを修理(交換)した記録です。

高圧電流が流れている箇所をいじるため、基礎的な電気の知識と十分な配慮と慎重さが伴わないと、この作業は非常に危険です。この記事を参考にして作業し、何か問題が起こっても私は一切責任を負えません。製品に使用されているアルミテープなども、一度剥がすと十分な性能を発揮できないと思います。
あなたがこの製品をこの先も長く安全に使用したいのであれば、安全確実なメーカー修理を強くお勧め致します。

液晶ディスプレイが故障した

ViewSonic製15インチ液晶モニターVE500
ViewSonicのVE500

ある日、ViewSonic製15インチモニター(VE500)の電源を投入しても、画面が一瞬パッと明るくなるだけで、すぐに消えてしまうという現象が起きるようになった。しばらく通電しておいてから電源ボタンを押すと問題なく使える状態になるため、当初は騙し騙し毎日使用していた。
しかし、そんな日々も長くは続かず、こんどは使用中に画面(バックライト)がちらついてから真っ暗になり、完全に画面が真っ暗になってしまった(バックライトが点灯していないだけなので、画面をよく見ると、文字や画像などがうっすらと表示されている

困ったときのネット頼み

ネットで調べると、こういった故障の仕方はバックライト(冷陰極管)かインバーター(VE500の場合はDC-AC)の不良の可能性が高いことを知った。
早速、パーツ屋さんをググりまくり、探し出して注文した。

有限会社マスター

2.2φの317mmの冷陰極管を購入したが、発光部分(ガラス部分)の長さがほぼピッタリであった(ちょっと発光が青っぽいのは仕様です(^_^;))

私は、テスターぐらいは一応使えるが、故障箇所を特定できるような能力を持っている人間ではないので、不良の原因としては一番多いと思われる冷陰極管をとりあえず交換してみたが、この作業では結局直らなかった。
※ ただ、ここで注意しておいて欲しいのは、冷陰極管2本を点灯させる方式のインバーターの場合、インバーターに冷陰極管2本を繋がないと1本も点灯しないということである。

金を無駄にしたようだが、消去法により原因はインバーターらしいことが分かった。※

※ 正確に言えば、他にも故障の原因となっているかもしれない箇所は存在する(インバーターを制御してるメインの基板とか)
案外このメーカーの液晶モニターは、インバーター不良が起きやすいのかもしれない(このメーカーに限らないのかもしれないが)
ヤフオクを覗いてみたら同じメーカーの液晶モニター(上位機種)のジャンク品が全く同じ症状を明記した上で出品されていた。

液晶モニター(VE500)の分解手順

液晶モニター(VE500)の台の裏面
モニタースタンドの裏面にあるネジ4本を外します。

液晶モニター(VE500)の背面01
モニター背面のカバーを外します(ツメで固定されているので、赤矢印の方向に力を加えながら手前に引きます)

液晶モニター(VE500)の背面02
ネジ4本を外します。

液晶モニター(VE500)の背面03
ネジ2本を外します。

液晶モニター(VE500)の背面04
赤丸付近にツメがあるので厚みの薄いマイナスドライバーなどで前後にクイクイっとコジるとバキッと背面パネル片側のツメが外れる(向かい側も同様の方法で外す)

液晶モニター(VE500)の基板部分
シールド板に覆われた基板部分が現れるので、全てのネジを外します。※
※ 修理後に撮影した画像のため、シールド板の一部が既に加工(切り取り)されています。

液晶モニター(VE500)のインバーター基板とメインの制御基板
インバーター基板(左)とメインの制御基板(右)が現れますので、コネクタとネジ各3つを外して新しい基板と交換します。

液晶モニター(VE500)の新インバーター基板とメインの制御基板
新基板に交換した後の画像です。

ViewSonic製VE500のインバーター基板01

ViewSonic製VE500のインバーター基板02
VE500に付いていたインバーター基板

交換部品(インバーター)の捜索

液晶モニターの交換修理用基板などそう簡単に入手できないだろうと半ばあきらめていたが、ネットで検索しまくってみると扱っているお店があることを知った。※

aitendo@shopping

aitendo様のサイトに掲載されていたインバーターのコネクタの画像が、VE500に付いていたSAMPO(サンポ?)というメーカーのインバーターのものと似ているなと思い、サイトに掲載されているデータシートを見ながら、メインの制御基板からSAMPOインバーターに接続されているコネクタの出力電圧(DC)をテスターで計ってみると全く同じであった。※インバーターの出力(AC)側のコネクタも画像の比較をすると形状は同じ様である。

※ 通電しながらの作業は非常に危険です!間違った端子やピンなどをテスターであたると故障の原因になります。
※ また、冷陰極管やインバーターには非常に高圧な電流が流れているので、感電の危険性も充分考えられます。

ちなみに、電気に詳しい方ならインバーター基板内の部品について不良箇所を特定し、直すところでしょうが、私にはそんなスキルはありません^^;

結局、メーカーが違うだけでほぼ全く同じ性能を持つインバーターだろうと勝手に予想して祈るような気持ち(^_^;)でインバーターを注文しました(いつも通り、いい加減だな…)

数日後に到着したインバーターを早速取り付けてみるとネジ穴の位置やコネクタの形状(3つ)が全く一緒!(正確に言うと、ネジ穴は僅かにずれているらしく、ちょっとだけネジが締めずらかった)
ともかく、これらが一致したことにより、コンパチブルな製品であるという確信がより強まった。
冷陰極管2つをインバーターに接続して、一か八か恐る恐る電源を投入するとあっさり点灯。ただし、基板上の信号入力側のコネクタの位置がずれるのでシールド板の一部(下の画像の赤四角付近)を金切りばさみで切断しなければならなかった。
ViewSonic製VE500のシールド板
シールド板は薄っぺらい金属なので、切断作業は簡単だと思います。※

※ しつこいようですが、この様な加工は本来やってはいけません。この作業をした後に製品の安全性は著しく低下しますし、今後メーカー修理を依頼する場合に受け付けてもらえなかったりしても、私は責任をとれません(^_^;)

遠回りをしましたが、無事にバックライトが点灯するようになり、モニターを延命させることができました(あくまで延命です…)

不満の残った点

バックライト(冷陰極管)の発光が青白いので白色の画面が青白く表示されてしまう。
しばらく(数ヶ月)使っていると赤っぽい発色になるらしく、相殺されて気にならない程度に落ち着きました。

・シールド板を切断しなければならなかった。

・冷陰極管のハンダ付けや絶縁など、綺麗にちゃんと出来たとは言い難い。※

※高圧がかかる部分なので収縮ゴムチューブなどできちんと絶縁をしないと非常に危険!

・とりあえずモニターを延命させることはできたが、素人が芋ハンダでくっつけた冷陰極管の寿命がどの程度なのか非常に不安(^_^;;)。

・冷陰極管の交換手順や画像を記事にもりこめなかった(期待して読んだ方、すみませんm(_ _)m)※
※ また分解するのがしんどいのと、分解したらまた故障しそうな予感もするので(^_^;)今後も情報追加はしないと思います。

この先長く使用する高価なモニターは、素直にメーカー送って技術のある人に純正部品できちんと直してもらいましょう(修理代は非常に高くなると思いますが…)

今回使用した交換用インバーター基板の信頼性などについて一切保証できないので、今回はあえて敷居を高くし、交換用部品への直リンクはしませんでした(メールなどで聞かれてもお答え出来ませんのでご了承下さいm(_ _)m)
この記事の間違いなどにより、あなたが何らかの損害を被ったとしても、私は何の補償もしてあげられません。必ずこの記事以外の情報も収集し、すべて自己責任で行動して下さい。m(_ _)m
「インバーター換えても直んなかったぞ!ゴルァ!」とかいう苦情も華麗にスルーしますのでご了承下さい(^_^;)
この記事は2008年7月頃に公開され、改訂を重ねて現在に至ります。

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